以前、理学療法士は 「認定理学療法士」を今後の為に取得したほうがいい?この資格はオトク?という記事を書いてみました。
僕は、「認定理学療法士」「3学会合同 呼吸療法認定士」などいくつかの資格を所有している現役理学療法士です
キャリアアップを目指す理学療法士に人気の資格の1つ「呼吸療法認定士」はオトクなのか?について資格取得までの所要時間とお金の面に焦点を当ててお話してみたいと思います。
今回は「3学会合同 呼吸療法認定士」編
理学療法士の給料は悲しいかな多いとは言えない金額なので、どうしてもお金の使い所に取捨選択が必要ですからね(泣)
時間も有限のなか、自身の生活と勉強、仕事と振り分けることを考えると資格取得に費やす時間も気になるところじゃないですか?
認定試験以外はeラーニングで全て受講することも可能なので、移動の時間や費用を抑えることもしやすいと思いますよ!
呼吸療法認定士を取得するにはどれだけの時間とお金が必要?
呼吸療法認定士資格、僕はコスパ・タイパとも結構良い資格だと思ってるよ!
なぜかというと認定理学療法士資格と比べて、資格取得にかかる期間が短くて研修会に費やす金額も抑制できるからです。
しかも、資格手当も出る資格なので年収を少しですが増やすことができます。
呼吸療法認定士を新規取得するための時間・お金は結果を言うとこんな感じ。
時間⇢最短だと臨床経験4年目には資格取得できる
お金⇢新規取得だと最低で約5万円強は必要
※12.5点取得するために必要な講習会費用1万円+認定講習会費2万円or3万円+認定試験費1万円+申請審査費0.4万円(+アステッキの予想問題集を購入する場合は追加費用が1.3万円)
日本理学療法士協会の認定理学療法士と比べると時間もお金もかなり少なくなっています。
認定理学療法士は最短でも臨床経験が6年は必要ですからね。
これだけでも半分程度の時間で資格手当を得られるようになる(給料が増える)となると
資格保有を続けたときのトータルリターンは圧倒的に呼吸療法認定士に軍配が上がるでしょう。
呼吸療法認定士資格取得への道のり
最短であれば臨床4年目で資格取得が望めるので、22歳で新卒入職した方は26歳から資格手当がもらえるようになるかもしれません、まぁ勤務先によりますが(汗)
臨床経験2年以上で12.5点あれば受験できるはずなのに、なんで臨床4年目が最短なの?
新卒の時、PTの免許登録できたのは5月になってからだったでしょう?それだと申請書類受付期間にはまだ免許取得から満2年経っていないから要件未達成で申し込み自体できないんだって
呼吸療法認定士資格は呼吸器疾患によく対応している医療機関や、訪問領域であれば資格手当がつくことがほとんどだと思います。
呼吸療法認定士を取得するまでの道のりはこんな感じです。
- 臨床経験を2年以上積む
- 申請書類を提出する
- 書類提出から5年以内に認定委員会が認める講習会などに参加して12.5点を取得する
- 認定講習会を受講する(eラーニングのみか、会場+eラーニングを選ぶ)
- 認定試験を受験して合格する
- 合格したら期間内に必要書類を提出して申請審査を受けて合格する
試験合格=資格取得じゃないので注意!書類申請が適切に終わって資格取得です!
呼吸認定療法士の講習会はどう探せばいいの?
公式HPで講習会探しにくいよね〜、僕は「PTOTSTネット」と「理学療法士協会のマイページ」で調べたよ!
認定団体名の記載じゃなくて、講習会自体を記載してくれたらわかりやすいと思うんですが(汗)
もしかして講習会自体を探すことも試験の内…?
講習会はどう選べばいいのか?
12.5点は半日開催の講習会参加で保有することができる点数です。講習会は時期によって開催数にムラがあるようです。金額が安い講習会ほどすぐに枠が埋まりやすいので、呼吸療法認定士資格取得をねらうならこまめに講習会検索をしておきたいですね。
僕が見つけた講習会の費用は一番安いものだと0.3万円、一番高いものだと2万円でした。
平均するとだいたい1万円前後くらいになるようです。
皆さんは「PTOTSTネット」や「理学療法士協会のマイページ」についてご存知でしょうか?呼吸療法認定士を目指される方であれば実際に活用されている方がほとんどだと思いますが、一応リンクを張っておきます。
リンク先:PTOTSTネット
リンク先:日本理学療法士協会
この2つの中でも「PTOTSTネット」は研修会情報のほか、診療報酬・介護報酬改定などリハ職に関わるニュースのトピックスや求人情報なども見ることができる超優良サイトです。
研修会検索も”呼吸器”などのカテゴリーやオフラインかオンラインかなどの”開催形式”といった様々な情報で絞り込むことが可能です。
使いやすいので僕はお気に入りバーに入れてちょくちょく見てます。
ちなみに理学療法士協会はバーに入れてない…、アプリは入れてるので許してほしい(汗)
特に将来、リハ部門の立ち上げや管理職を目指したい!というかたは制度や改定情報に敏感になっておいたほうがいいのでPTOTSTネットを活用しておくことをオススメします!
認定講習会はどちらを選べばいいのか?
12.5点を取得した後に参加する認定講習会には2つのバージョンがあります。それぞれの違いはこんな感じ。
eラーニングのみ:eラーニングか視聴できる環境ならどこでも受講ができる
1ヶ月くらいある視聴期間に全て見終わる必要あり
定員3000人 受講料2万円
3000人の定員に漏れると認定講習会が受験できなくなる可能性がある
会場+eラーニング:会場に出向いて2日間で受講する
復習としてeラーニングを見ることもできる
会場は東京都内のみなので、東京圏以外の方は交通費+宿泊費が必要
定員290人 受講料3万円
定員290人から漏れると抽選によりeラーニングのみに振り替えられる
僕は最初からeラーニングで受講しました。
応募人数が定員人数を超過した場合は、抽選となると公式HPに記載されています。
eラーニングのみには注釈がないのですが、会場+eラーニングには定員漏れの場合はeラーニングのみで抽選すると注釈がありました。
そう考えると定員超過した場合、会場+eラーニングで申請すると抽選チャンスが2回あるけど、eラーニングのみだと抽選チャンスが1回になるってこと…?
コロナ禍真っ最中の2020年以外は、認定講習会の定員よりも試験受験者数のほうが人数が上回っています。
おそらく前年度までに試験を受けて不合格だった方が再受験しているのかなと思いますが…
認定講習会定員を上回る人数が受験しているということは、毎年講習会定員を上回る人数から受講希望がある可能性も高いです。
認定講習会定員3290人に対して、コロナ禍前までは受験者数が5000人超していましたし。
実際にコロナ禍前までは呼吸療法認定士資格を受験する一番のハードルは
「認定講習会を受講できること」自体と言われていました。
当時は現在とは違い、先着順だったため受講申込日初日の8時には郵便局窓口に受講希望者の行列ができるのが毎年恒例。
8時ジャストに特定記録郵便で発送しないと定員が埋まってしまって試験が受けられない!なんてことが当たり前にありました。
人によっては8時ジャストに郵便局にいるために有給を取ってたくらい大変だった…
引用元:公益財団法人 医療機器センター 第29回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会及び認定試験
申請書類を出す前にもメール登録や書類作成など個別の締め切りがあります。
それぞれの締め切り間隔が空いているのでやり忘れないように注意!
もし忘れたら受験は来年以降です…
認定試験の勉強方法は?
認定講習会受講が決まると、公式テキストが郵送されてきます。
このテキストは結構くせもので、デカく、厚く、目が点になるくらいの文字数、そしてモノクロ印刷…。
僕は正直全部読めませんでした。
僕が認定試験勉強に使ったのはアステッキから出ている予想問題集。
むしろこれがなかったら一発合格しなかった自信すらあるような(汗)
最初は基本だけでなんとかなるだろうと思っていたのですが、試験6週間くらい前に受けた模擬テストが解けなさすぎて慌てて応用編も購入して解きまくりました。
本試験問題の言い回しに近いのは応用編だったかも。
呼吸療法認定士を取得すると資格手当はどれくらい増える?
僕が今まで勤務していた病院、訪問リハ、訪問看護リハではこんな感じでした。
病院⇢月1,000円 訪問リハ⇢なし 訪問看護リハ⇢月3,000円
求人情報などを見てみると月5,000円くらい手当がつくところもあるようでした。
PT協会の認定理学療法士資格と比べると、呼吸療法認定士資格のほうが手当金額は少ないところが多いようでしたね。
認定理学療法士と比べて呼吸療法認定士は手当金額は少なめかもしれませんが、最短で臨床4年目からもらえる可能性があること、資格の継続保有ハードルが低いことがメリットです。
更新に必要な費用・時間も考えると、
5年リターンは手残りの多い呼吸療法認定士に軍配が上がると僕は思うよ!
もしどちらの資格でも手当が月5000円だったとすると、
認定理学療法士の5年リターンは約20万円弱
呼吸療法認定士の5年リターンは約35万円強
しかも資格更新に必要な点数取得するために費やす時間が圧倒的に違います…
呼吸認定療法士は資格の継続保有がしやすい!
PT協会の認定理学療法士資格は継続保有のハードルがなかなか高め。
こちらが認定理学療法士の資格更新要件です。
- 登録理学療法士更新に必要な研修参加ポイント、50ポイント以上
- 認定理学療法士更新に必要な活動点数、100点以上
- 学会発表か学術誌への投稿を1回は必須で行う
- 更新時研修を受講する
認定理学療法士資格は5年更新制なので、上記全てを5年以内に終わらせないといけません。
しかも登録理学療法士資格+認定理学療法士資格を維持するためのポイントを全て研修会参加で取得したとすると11万円程度が必要…
研修会参加だと大体1時間=1ポイント、1時間=1点です。
最低でも150時間は研修会に参加する必要があり、日数にすると6日以上です。そして学会発表が必須。
これをネックに感じるかたも多いんじゃないでしょうか?準備なども考えると2ヶ月はほしいですよね仕事しながらだし…
認定理学療法士についての詳細はこちらの記事を一読してもらえたらと思います。
対して、呼吸療法認定士の資格更新要件がこちら。
- 講習会の参加などで50点以上
- 更新申請書類受付期間に必要書類を提出する
- 更新登録料3500円を振り込む
呼吸療法認定士も5年更新なのですが、講習会参加の場合は半日開催で12.5点、1日開催で25点が取得できてしまいます。
つまり5年以内に2日分の講習会参加で更新できる!講習会は探せば3000円くらいのものもあります。
参加費が1万円を超える講習会に参加したとしても、3万円もあれば十分50点を満たすことができるでしょう。
認定理学療法士資格と比べると更新要件が本当に楽!!
まめたろうが呼吸療法認定士を、もし非保有だったらこれから取りたいとおもうか?
確実に資格取得を狙うでしょうね!
理由はこちらの3点
- 「認定士資格手当>資格保有継続に係るお金」になりやすいから
- 呼吸サポートチーム(RST)などの専門チームに参加できるようになる
- 転職に有効性がある資格の1つだから
呼吸療法認定士資格はタイパ・コスパもなかなかによく、呼吸器疾患や急性期病院であれば専門チームに参加できる可能性も出てきます。
そうなれば職務経歴にも厚みが出ますし、自身の専門性も示せます。
呼吸療法認定士は理学療法士以外にも看護師が取得する割合が多い資格です。
これから訪問領域で働きたいと思っているかたは、転職活動前に取得するのも効果的でしょう。
特に志望するのが訪問看護の場合は採用担当者(管理者)が看護師で有ることがほとんどなので、知られてる資格のほうが押しが強いですよ!
認定理学療法士のほうがあんまり知られてないのよね、多職種の方に(汗)
今回は認定理学療法士を、タイパ・コスパの面からオトクかどうか考えてみました。
僕の結論としては「良いよ!」ですね。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!